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夏の過ごし方をロシアに学ぶ。夏限定別荘『ダーチャ』での素朴な田舎生活

ロシアでは夏の間、『ダーチャ』と呼ばれるセカンドハウスで過ごす風習があります。ダーチャは田舎にあり、シンプルで質素な暮らしを送る家です。都会生活とダーチャでの農業生活の行き来が、日本でも理想のライフスタイルとして、また、これからの暮らし方として注目を浴びています。質素だけれど自然に囲まれ、豊かな田舎暮らしをして過ごすサマーハウス「ダーチャ」。そこには都会が忘れてしまった贅沢な時間が流れていました。

夏は避暑地で静かに過ごすのが憧れ…

観光地はどこも混んでいて、日差しが強く過ごしづらい季節でもある夏。
贅沢はしなくてもいいので、避暑地の別荘で、静かにゆっくりと過ごしたいと思ったことはありませんか? ロシアには、「ダーチャ」と呼ばれるセカンドハウスが存在します。
夏になると「ダーチャ」に行き、シンプルで質素な生活を送る習慣のあるロシア。
このダーチャの存在が、今日本でも注目されてます。

ロシアのセカンドハウス「ダーチャ」

ダーチャは普段生活している都会から、車で30分~1時間程度の田舎に位置します。
週末だけ訪れて、作物に手を加えたり、家を整えて過ごしますが、特に夏の間は盛んに利用され、夏休みに家族そろって長期間ダーチャで過ごします。

小さく、質素で、ものは少なめ。

セカンドハウス「ダーチャ」は観光地になければ、ものが溢れる贅沢な暮らしが送れるところでもありません。
ロシア語でダーチャは「与えられたもの」という意味があります。
1930年代のスターリン時代、共産主義国であるロシアは農業集団化が実地され、強制的に作られた野菜を徴収するため農民から土地を奪った過去があります。
このとき農民たちは「自分達の食料の自給」のための「自留地」を求めました。
政府から与えられた土地は、当初は物置小屋程度のものでしたが、これが今日の大衆的ダーチャの発端となりました。

シンプルな「衣・食・住」

1960年代にはフルシチョフ政権が一家族に最低600ソートック(平米)の土地を与えるよう法制化され、都市近郊に多数整備されていきました。
ダーチャは希望者に安価で支給され、当時は保有の権利は世帯主一代限りとされていましたが、現在は相続も認められています。
市民は世代を越えて、家族で協力し合って菜園や小屋などを着々と整えていきました。
よってダーチャは「質素な場所にあり、農業をして、自分たちが食べる作物を育てるための家」とも言えることができます。

昼間は農業をして過ごす

第二次世界大戦中から大戦後の食糧不足の対策として作られたダーチャ。
今ではロシアも生活水準があがり、野菜を買った方が安い場合もあります。
しかし現在でもダーチャで農作物を育てる暮らし方は色濃く残っており、昼間は農業をして、日が沈んだら休んで過ごします。

食べ物は自給自足

ロシア人1人当たりの国内総生産(GDP)は約140万円。
所得量だけでいえば日本の30%程度で、低い生活水準と感じられるかもしれません。
しかし85年以降、何度も経済危機に見舞われ、給与支払いが半年、一年も滞り疲弊し切って、日々の食料調達もままならなかったロシアにもかかわらず、餓死者は出ませんでした。
それは世帯の8割がダーチャなどの菜園を持ち、ジャガイモの9割、野菜の8割を国内で自給自足していたからだといわれています。

自然の恵みがいちばんの贅沢

ダーチャでの食卓では、体に悪いものが食卓にのぼることはありません。
自分たちが畑から作ったオーガニック野菜を食べ、ビン詰や保存食を作り、またそれをまわりのダーチャと分け合ったり、時には売って現金収入を得ます。
また、まわりのダーチャで作られた食料があつまるファーマーズマーケットもあり、鮮度がよく安心感のある食べ物が手に入ります。
家族やまわりの人々と協力し合いながら交流をし、自然や天候と向き合いながら生活する日々。
そこには都会生活にはない、贅沢で豊かな暮らしがあります。
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CRASIA編集部